「不動産の査定額って、どうやって決まるの？」

初めて売却を考えたとき、多くの方が抱く疑問です。

実際、査定は“勘”や“雰囲気”で決まるわけではなく、仲介会社は複数のデータや現地確認をもとに、客観的な根拠を積み上げて価格を算出します。
この記事では、仲介会社が査定時に必ず確認する5つの主要ポイントを、プロの視点でわかりやすく解説します。

1. 取引事例（過去の売買データ）との比較

査定で最も重視されるのが、近隣エリアで実際に売れた物件の「成約事例」です。

仲介会社が見るポイント

• 半径500m〜1km以内で直近に売れた物件

• 築年数・間取り・広さ・階数・向きが似ているか

• “売り出し価格”ではなく“成約価格”で比較

例えば、同じマンション内で直近に取引がある場合、その価格は査定の基準になりやすく、「売れた値段＝市場が評価したリアルな価値」です。

2. 周辺相場（現在の売り出し状況）

今、同じ条件の物件がいくらで売り出されているかも重要な指標です。

なぜ周辺相場を確認するのか？

市場は常に動いており、

• ライバル物件の数

• 売り出し中の価格帯
  によって、価格設定の成否が大きく変わります。

3. 物件そのものの状態（建物・設備の評価）

築年数が同じでも、状態の良し悪しで査定額は大きく変わります。

チェックするポイント

• 室内の傷み具合（クロス・床・水回り）

• リフォームの有無

• 日当たり・眺望・通風

• マンションなら管理状況（修繕積立金・管理体制）

• 一戸建てなら外壁・屋根・給排水設備の状態

特にマンションの場合、管理状態が価格に直結します。
管理の良いマンションは資産価値が落ちにくい傾向があります。

4. 土地・立地の評価（動かせない価値）

不動産の価値を大きく左右するのが「立地」です。
これは一番変えられない部分であり、買主が最も重視するポイントでもあります。

主な評価ポイント

• 最寄駅までの距離

• 駅の利便性（快速が止まるか、人口増加エリアか）

• 周辺環境（治安・買い物・学校）

• ハザードリスク（浸水・土砂災害など）

• 土地の形・方位・接道状況（戸建ての場合）

「立地の良さ＝資産価値の強さ」
これは不動産の基本です。

5. 市場の動き（売り時のタイミング）

同じ物件でも、市場の動き次第で査定額が変わることがあります。

仲介会社が注目する市場要因

• 金利の動向

• 新築供給量の増減

• 人口や世帯数の推移

• 景気・税制・補助金

• 購買意欲の強弱

不動産市場は波があり、
「売れやすいタイミング」＝「査定額が高めに出やすいタイミング」
ということも珍しくありません。

仲介会社ごとにデータの見方や価格設定の戦略が異なるため、査定額に差が出ることがあります。

価格が高くなるケース

• 売主に選んでもらうため“希望を優先して高めに出す”

• 市場を強気に判断している

価格が低くなるケース

• 早期売却を重視している

• 過去の成約データを厳しめに評価している

大事なのは“査定額”そのものより、価格の根拠が説明できるかどうか。
根拠が明確な査定は売却成功率が高くなります。

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